氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」 感想

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果報は寝て待て―

■氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」

狙われた古典部、怪盗「十文字」の最後の犯行!!

　さぁ、怪盗「十文字」による犯行もいよいよ終盤となり、
　じわじわと古典部へと魔の手が伸びつつある「クドリャフカの順番」編も佳境となりました!!

　えるちゃんの美声が校内中に響き渡るなんて、ステキな事ですなぁ(>_<)

　さて、放送部が古典部が怪盗「十文字」に襲われそうな古典部をピックアップしてくれたおかげで、
　怪盗「十文字」が古典部ではなく「工作部」に犯行を及ばないよう
　「コ」の付く品「校了原稿(古典部文集「氷菓」の原稿)」を餌に誘導し、校内放送効果によって
　生み出された客足により古典部文集「氷菓」の売り上げアップを図った奉太郎達の作戦は、
　予想以上の反響により飛ぶように文集が売れるという嬉しい悲鳴を上げる事に♪

　おまけに、古典部が在籍する地学準備室に多くの人達を集める事で、
　怪盗「十文字」が人目を気にして犯行を起こさせないという
　効果も生まれるという事ですよ、考えたなぁ(>_<)

　しかし、怪盗「十文字」は多くの人達がいる地学準備室にもかかわらず、
　「校了原稿」を使ってのボヤ騒ぎを起こすといったハプニングを引き起こし、
　しっかりと犯行声明を残されるといった怪盗「十文字」の手口に一同に衝撃が走る事に!!

　多くの人達を呼ぶという事は人混みに紛れて「死角」を生み出すという事。
　えるちゃんのショックを受けた顔はあまり見たくはなかったなぁ・・・

怪盗「十文字」のメッセージ。

　さて、3日間催される「カンヤ祭」において話題となった「十文字事件」ですが、
　実は、数少ないヒントから奉太郎が怪盗「十文字」を特定できていたんですよ!!

　そうです、「クドリャフカの順番」編がこれからが最大の見せ場なんです(>_<)

　まず、奉太郎が怪盗「十文字」に接触したのは時間軸はえるちゃんが校内放送に出演する前、
　奉太郎は怪盗「十文字」であろう人物を呼び出しては怪盗「十文字」が引き起こしてきた「謎」を
　解き明かしていくわけですが、怪盗「十文字」が残した「謎」はなかなか凝ったもので、

　　怪盗「十文字」が犯行声明から「盗まれた」という表記せず、「失われた」と表記していたのは、
　　犯行が行われなかった「ク」でも何かを失っているという「ク」の側に伝えるためのメッセージであり、
　　怪盗「十文字」が犯行声明と共に置いていく「カンヤ祭の歩き方」から
　　五十音順に紹介されている特定のページ「参加団体一言」のページを「被害者リスト」と定め、
　　「ク」の付く部活がない事から代わりに「ク」の付く生徒会会長「陸山 宗芳」をの「ク」だと判断。

　　そして、「カンヤ祭の歩き方」から「被害者リスト」を情報操作をする事で
　　作成が出来る総務委員に怪盗「十文字」がいると的を絞り、
　　怪盗「十文字」は「陸山 宗芳」に向けてメッセージを送っていたと推測。

　　また、奉太郎は「夕べには骸に」を制作した「安心院 鐸玻」のペンネームが
　　複数の製作者の苗字と名前から頭文字を抜き出したものだと気付き、「あじむたくは」から
　　「夕べには骸に」の原作者である「安城 春菜(あんじょう はるな)」の「あ」と「は」、
　　「夕べには骸に」の作画担当「陸山 宗芳(くがやま むねよし)」の「く」と「む」を抜くと、
　　「あじむたくは」から残ったのは「た」と「じ」となる。

　　故に、昨年も文化祭に参加した2年生以上で、「カンヤ祭の歩き方」から「被害者リスト」を
　　作成するに当たって情報操作が出来る総務委員で、苗字に「た」、名前に「じ」を持つ人間で、
　　「陸山 宗芳」と親しい人物が怪盗「十文字」であり、
　　以上の事を踏まえると総務委員会委員長「田名辺 治朗」が怪盗「十文字」であると確答される。

　という簡単にまとめたつもりでも理解するには少々時間のかかる難題も
　奉太郎は短時間で謎解きをしてしまうというのだから圧倒ですよね!!

　うぅ、上記の説明で理解してくれると嬉しいけど、
　正直、長文をちゃんと読んでくれているのかが問題ですけどね・・・

　もちろん、怪盗「十文字」改め「田名辺 治朗」の犯行にはちゃんとした動機があり、
　「夕べには骸に」の作画を一度だけ担当した陸山のイラストの才能を見込んだ田名辺だったが、
　陸山は全然漫画を描く気はなく、剰え陸山も携わった「夕べには骸に」を読んでもいないという
　「才能の持ち腐れに対する苛立ち」が田名辺の「十文字事件」を思い付いたエピソードみたい!!

　田名辺の陸山へのメッセージは奉太郎がいなければずっと闇の中。
　あぁ、これもほろ苦い一つの青春ストーリーなのかぁ(T_T)

　また、奉太郎は怪盗「十文字」である田名辺をちょっとだけ脅迫し、
　田名辺が怪盗「十文字」である事を秘密にし、田名辺に無事「十文字事件」を完遂させる代わりに、
　総務委員会で古典部文集「氷菓」を買い取ってもらい、神山高校のホームページの通販で
　「氷菓」を売ってもらうという闇取引をする事で、最初は完売が無理だと思っていた
　200部の文集を全て売りつくすという目的を達成させることに成功♪

　「校了原稿」が怪盗「十文字」に燃やされたという犯行は、
　田名辺や事情を知った里志と奉太郎による
　自作自演だったというわけですよ、最初は騙されたなぁ(>_<)

あとがき

　「十文字事件」の真相を知らないえるちゃんの「わたし、気になります!」は続く・・・

　いやはや、「クドリャフカの順番」編の最後はまとめるのが非常に大変でした!!

　一応、メイン主人公の一人である奉太郎の視点から「クドリャフカの順番」編の
　感想を書いてきましたが、えるちゃんや摩耶花ちゃん、里志にもドラマがあるのが
　「クドリャフカの順番」編の魅力の一つなんですけど、全員分の感想や考察を
　記事にしていくのはなかなか大変なものなので省略になっちゃいますよね(+_+)

　まぁ、簡単にまとめるとえるちゃんは誰にでもお願いする事は良くないという事を学び、
　摩耶花ちゃんは漫研の先輩である亜也子ちゃんに感銘を受けた同人誌の一冊「夕べには骸に」を
　見せようとするが、摩耶花ちゃんが感銘を受けた「夕べには骸に」とは
　別の一冊「ボディートーク」が亜也子ちゃんの作った同人誌だったことを知った驚きや、
　亜也子ちゃんが親友の春菜ちゃんの作品の素晴らしさに嫉妬していた事。

　そして、里志は奉太郎のように類稀な推理能力では敵う事が出来ず、
　改めて、「データベースは結論を出せない。」という持論を噛み締めた事、ですかね♪

　ふぅ、「氷菓」の感想はかなり大変だけど、感想を書き終えた後の達成感は良いものですね(^O^)

　それにしても、次回は未収録短編もので攻めてくるとは、楽しみだなぁ♪

　次回、「連峰は晴れているか」 です!