＜物語＞シリーズ セカンドシーズン 第5話 「猫物語(白) 第懇話 つばさタイガー 其ノ伍」 感想

猫物語(白) 第二巻/つばさタイガー(下)(完全生産限定版) [Blu-ray] (2013/11/27) 神谷浩史、斎藤千和 他 商品詳細を見る

一念天に通ず―

■＜物語＞シリーズ セカンドシーズン 第5話 「猫物語(白) 第懇話 つばさタイガー 其ノ伍」

自分が変われば世界が変わる。

　さぁ、今まで自分のために自身のストレスと向き合ってきたブラック羽川との
　対峙や、大切な場所を焼失させ続けている虎の怪異「苛虎」の存在意義を
　見出し始めた翼ちゃんが、何を考え、何を想っては自分自身の本質と結びつけ、
　自分自身の本質と向き合わなくては成長できない翼ちゃんの物語「猫物語(白)」が
　いよいよ完結を迎えようとしている「＜物語＞シリーズ セカンドシーズン」の
　第5話の感想でございます!!

　何だろう、2クールが確定している「セカンドシーズン」だけど、
　このお話で最終回な気分にさせられてしまうんですけど・・・

　さて、虎の怪異「苛虎」を退治することが、自分自身の心の成長に繋がると
　推測しては、様々な怪異の問題に立ち向かってきた心強い暦の不在もあり、
　現状で「苛虎」を退治できるのは、触れた者の生気を奪い取ることができる
　「エナジードレイン」を持つブラック羽川に頼るしかない翼ちゃんですが、
　もう一人の自分でもあるブラック羽川に「苛虎」を退治して欲しいという
　切実な願いや、周りとは違う自己の本質に気づいた丁寧な説明は、翼ちゃんと
　記憶を共有しているブラック羽川には不要なことであり、夫婦仲が悪いと
　思っていた両親が、実は、自分の知らないところで少しだけ仲良くなっていた
　事実に気づいたことで芽生えた猛烈な“嫉妬”が、翼ちゃんの大きなストレス
　となっては「苛虎」を生み出し、翼ちゃんの心の奥底に潜んだ嫉妬の対象、
　すなわち、家族の温かさが最も反映される家や場所を「苛虎」が燃やし尽くす
　ことで、翼ちゃんのストレスを緩和させている、つまり、翼ちゃんの心の脆さが
　今回の事件を巻き起こしたという自分の心の弱さを克服しない限りは、今後も
　「苛虎」のような新種の怪異を生み出しかねないということで、今まで目を
　逸らせ続けていた翼ちゃんが自身のストレスを自身から切り離すことで生まれた
　ブラック羽川や「苛虎」が持つ現実の辛さを受け入れ、ようやく本当の
　「羽川 翼」に生まれ変わろうと心に誓う堂々たる翼ちゃんの想いに心を
　熱くさせられないわけがないですよね♪

　幼い頃から知らない間に愛情に飢えていた翼ちゃんの愛情への渇望が
　痛いほど伝わったと思いますが、翼ちゃんが大好きな暦の恋人である
　ひたぎちゃんに対しての嫉妬がないというのが意外なところですよね(>_<)

　ふふ、良くある展開だったら三角関係の修羅場が発生するのに(笑)

　もちろん、今まで翼ちゃんのストレスを発散するためだけに働いていた
　ブラック羽川は、初めて翼ちゃんに頼られたことで、「苛虎」を翼ちゃんの
　元へ戻らせるための説得にも気合が入りますが、翼ちゃんから生み出された
　とは思えない荒々しい性格の「苛虎」がブラック羽川の説得を快く受け入れる
　はずはなく、実態が“炎”そのものである「苛虎」の熱を帯びたエネルギーに対し、
　言うことを聞かない「苛虎」をブラック羽川が倒すためには、ブラック羽川の
　エナジードレインで熱を帯びた「苛虎」に触れ続け、火達磨になりながら
　「苛虎」のエネルギーを吸収しなくてはいけないという“猫”が“虎”に挑む
　だけでもとんでもないことだというのに、獣が嫌う“火”に立ち向かわなくては
　ならないというのはかなり酷な話ですよね!!

　あぁ、マンション建設の鉄筋コンクリートの枠組みの立体構造を
　生かしたブラック羽川と苛虎の戦闘は圧巻だよなぁ(^O^)

　でも、苛虎の炎で肝心な所が焼けないブラック羽川の衣装の
　耐熱性の謎については疑問が残ってしまいましたけどね(笑)

　しかし、命がけで「苛虎」の説得を試みたブラック羽川を救うかのように、
　何かしらの問題に立ち向かっては「猫物語(白)」に全く登場していなかった
　「＜物語＞シリーズ」における大切な主人公「阿良々木 暦」が、怪異にだけ
　絶大な威力を誇る妖刀「心渡」を携えては、ブラック羽川が手におえない
　「苛虎」をあっさりと倒してしまうという満を持してようやく登場した暦が
　かっこよくて仕方が無いというのは言うまでもありませんよね♪

　翼ちゃんのピンチを風の頼りで聞いては飛んできた暦が今まで
　何をしていたのかは今後の物語で分かってくるとは思いますが、
　やっぱり、ヒーローがヒロインのピンチに遅れてやってくるという
　展開はいいものですよね!!

　やだ・・・暦がかっこよすぎる・・・

　また、暦が自室にあった新たな自分に生まれ変わろうと決意したブラック羽川に
　綴った翼ちゃんの手紙を読んだことで翼ちゃんの苦悩を知り、過去と対峙して
　成長しようとしている翼ちゃんを温かく応援してくれたことで、翼ちゃんも安心して
　ブラック羽川や「苛虎」が持っていた負の感情を全て受け入れることができ、今まで
　打ち明けられなかった暦への想いを打ち明けては、ひたぎちゃんという恋人がいる
　暦に振られて涙する悲しみの感情を初めて噛み締めたり、焼失した自宅の代わりと
　なる借家が決まった両親に対して自分の部屋が欲しいと頼んでみたりと、自分の
　心に偽らずに新たな人生を歩もうとしている翼ちゃんが、様々な物語を経てようやく
　一人の人間として生まれ変わることが出来たということで、「＜物語＞シリーズ」に
　おいて長年に渡り注視されてきた翼ちゃんの物語が遂に終わりを迎えるというのは、
　なかなか感慨深いものがあるのではないでしょうかね!!

　次回は本編を休んで総集編を放送するみたいだけど、やはり、翼ちゃんが
　メインとなった「化物語 つばさキャット」や「猫物語(黒)」、そして、
　「猫物語(白)」の総集編になるんでしょうね♪

　ふぅ、総集編を挟むことで本編の尺が足りなくなることが心配だなぁ(+_+)

あとがき

　あぁ、翼ちゃんがブラック羽川に宛てた手紙の内容だけではなく
　様々な場面でかなり簡素化が行われてしまうなんて｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡

　原作通りなら、もう少し翼ちゃんの嫉妬が深いところまで
　自己分析されていたのですが、さすがに翼ちゃんの心の闇を
　深いところまで掘り下げてしまうと尺が足りなくなるからの
　苦渋のカットだったんでしょうね。

　うぅ、翼ちゃんと忍ちゃんが会話するシーンも無いとは(T_T)

　まぁ、ボリュームのある「＜物語＞シリーズ」をある一定の
　期間内に消化するためには致し方ないことですよね。

　そして、クオリティを維持するのも大変だしね(+_+)

　大好きな作品だからこそしっかりと楽しみたい
　というファン心理、複雑だなぁ・・・

　それにしても、次回に総集編を挟むことによる
　尺の影響が本気で気になってしまったんですけど!!

　とりあえず、駿河ちゃんがメインの物語「花物語」は
　「セカンドシーズン」が終了後に何らかの形で発表されるみたいですが、
　まだ“4人”のメインヒロインの内容の濃い物語が残っている状態での
　総集編は命取りに成りかねないと思わざるをえませんよね。

　でも、昨年の年末みたいに「猫物語(黒)」の一斉放送のような形を
　採用できれば十分に「セカンドシーズン」は終われるかも(>_<)

　「セカンドシーズン」はまだまだ序盤戦、楽しんでいかなくちゃ(^O^)

　次回、「＜物語＞シリーズ 総集編Ⅰ」 です!