＜物語＞シリーズ セカンドシーズン 第10話 「傾物語 第閑話 まよいキョンシー 其ノ肆」 感想

傾物語 第ニ巻/まよいキョンシー(下)(完全生産限定版) [Blu-ray] (2014/01/22) 神谷浩史、斎藤千和 他 商品詳細を見る

禍福門なし唯人の招く所―

■＜物語＞シリーズ セカンドシーズン 第10話 「傾物語 第閑話 まよいキョンシー 其ノ肆」

時に後ろを振り返り、時に間違え、時に迷いつつも、一歩ずつ前へ!!

　さぁ、滅亡した世界に自分達の存在を自分達以外の人間に伝えようと
　試してみた暦と忍ちゃんの夏の終わりを告げるささやかな花火大会が、
　自分達以外の人間ではなく、大量の吸血鬼の成りの果てのゾンビ達に
　気付かれ、自分達がピンチを招いてしまっては元も子もないであろう
　「＜物語＞シリーズ セカンドシーズン」の第10話の感想でございます!!

　曇り空なら遠くまで花火の光が届くという暦達の目論見が、太陽の光を
　遮る曇り空なら夜にしか出現しないゾンビ達でも出現可能という物事が
　裏目に出てしまう暦の主人公補正はさすがとしか言いようが無いですよね♪

　曇り空だから夜よりも割とはっきり見えるゾンビ達、気持ち悪いなぁ(+_+)

　さて、大量のゾンビ達に囲まれたことで逃げ場の無い暦達ですが、
　忍ちゃんの力に頼った大ジャンプでの脱出の直前に、滅亡した世界には
　存在しないと思われていた人間の生き残りによる白米攻撃によって
　ゾンビ達を退けたことにより事なきを得ることができ、暦達を助けた
　成人の大人の女性が「八九寺 真宵」と名乗ったことから、11年前に
　遡って暦達が真宵ちゃんを交通事故から救って以来、真宵ちゃんが
　怪異にもならずにずっと生きていたという事実は、暦が感極まって
　涙を浮かべそうになるのも頷けるほどの驚きと嬉しさがありますよね♪

　うぅ、暦達が真宵ちゃんのために必死になった成果が真宵ちゃんの
　大人Ver.を見られるというのは嬉しいことだけど、21歳の真宵ちゃんの
　魅力がそれほどでもないのは、ツインテールで大きなリュックを持った
　愛らしい子供Ver.の真宵ちゃんの方が圧倒的な存在感を築き上げてきた
　からなんでしょうね。

　ちょっとパンチが弱い大人Ver.の真宵ちゃん、
　出番がちょっとしかないのも惜しいなぁ(T_T)

　また、真宵ちゃんは暦に宛てた忍野メメからの手紙を預かっており、メメは
　暦が忍ちゃんと友好関係を築き、世界の滅亡を回避した暦を“成功した暦”と
　称し、忍ちゃんと仲違いになり世界の滅亡を招いた“失敗した暦”が作り
　出した現在の世界は、“成功した暦”達が11年前の過去から現在へ帰る
　時間軸を移動してきたのではなく、“成功した暦”達が“失敗した暦”が
　存在した異世界に移動してきた、つまり、暦達の現状は、自分達が存在して
　いた世界とは違う平行世界、パラレルワールドに迷い込んでいるという
　「傾物語」における最大の種明かしともなる忍野の衝撃の手紙の内容は、
　博識ある忍野にしか説明できない非常に説得力のあるものがひしひしと
　伝わってくる壮大な真実だったのではないでしょうかね!!

　ホント、忍ちゃんの規格外で予測の出来ない行動を予測し、忍野が
　別ルートから暦達がやってくることを街中の怪異譚を収集しながら
　学習塾跡の廃墟で様々なことを先を見通して考えていたと思うと、
　改めて忍野の偉大さを感じさせられますよね(>_<)

　さすが忍野、常にアロハシャツを着こなしているだけありますね(笑)

　そして、忍ちゃんが“失敗した暦”が亡くなったことで大暴れし、大量の
　ゾンビを生み出した忍ちゃんの本来の吸血鬼の姿「キスショット・アセロラ
　オリオン・ハートアンダーブレード」は、現在暦達がいる世界が滅亡した
　ルートでは自害していたと思っていたのが生きていることを忍野からの
　手紙から知り、キスショットを倒せば街中に潜む失敗した吸血鬼の成り
　損ないであるゾンビ達を人間に戻すことが可能であるがために、現状では
　元のルートに戻ることの出来ない暦達は、“失敗した暦”の別ルート世界で
　様々な人達や、“失敗した暦”の世界で生きる真宵ちゃんとともに生きていく
　ためにも最強という言葉がふさわしいキスショットを倒そうと決意しますが、
　“失敗した暦”が亡くなったことで、復活したキスショットは、暦達の街に
　死に場所を探しにやってきた当初の目的“自害”を相変わらず失敗し続け、
　吸血鬼にとって最大の天敵である日光による焼身でも、自己の再生能力が
　上回り自害することが出来ない状態であり、別の世界で良好な関係を築いた
　暦と忍ちゃんの友好関係の可能性が自分にもあったのはと自分の過ちを憂い、
　暦達が元の世界に帰れるよう忍ちゃんに吸血させては、異空間移動を可能に
　させるほどのエネルギーを蓄えさせ、自身も念願だった死をようやく叶える
　ことが出来るという「傾物語」の最大の見せ場は、「傾物語」における
　メインヒロインである真宵ちゃんではなく、忍ちゃんにほとんど奪われて
　しまうというオチもなかなか斬新なものだったかもしれませんよね♪

　そういえば、キスショットがしっかりと「＜物語＞シリーズ」の
　本編にアニメ化されて喋ってのは初めてかもしれませんね!!

　あぁ、キスショットが劇場版「傷物語」よりも先に出ちゃった・・・

　もちろん、キスショットのおかげで元の世界へと無事に帰ることが出来た
　暦が、暦の家に忘れた大きなリュックを回収しようと暦を探していた
　真宵ちゃんと遭遇し、二人にしか出来ないいつもの何気ない会話劇を繰り
　広げることで、元の世界に帰ってきたことを実感し、真宵ちゃんが幽霊と
　なっても幸せに現存していることを本人から真意を聞けたことで、自分が
　余計なことをしなくても真宵ちゃんは大丈夫であると気付いた暦の一安心の
　優しい表情は、「傾物語」を締めるに当たって心地よい余韻を与えてくれた
　のではないでしょうかね!!

　やっぱり、暦と真宵ちゃんの定番の面白い会話劇が
　あってこそ、真宵ちゃんの魅力が伝わらないほど
　二人の会話劇が待ち遠しかったですよ♪

　決して変わることのない暦達のやり取り、本当に飽きないなぁ(^O^)

あとがき

　いつもは暦にセクハラされ放題な真宵ちゃんだけど、
　真宵ちゃんが暦にセクハラをするというのは新鮮ですよね♪

　覚えていますか、暦が真宵ちゃんにセクハラされる光景は、
　ほとんど「偽物語」の第1話で暦が真宵ちゃんにセクハラした
　内容と酷似しているんですよ(>_<)

　あぁ、鼻息を荒くして大喜びする真宵ちゃんのレアな顔もいいけど、
　真宵ちゃんが暦をペロペロしようとする構図は最高だったなぁ(笑)

　いやはや、原作を読んだときには忍野の手紙の内容はかなり
　肝な部分だと思い気合を入れてアニメの説明を視聴しましたが、
　以外にもスッキリとした説明と絵で分かりやすく忍野の手紙の
　内容を改めて理解することが出来ました!!

　やはり、文字と脳内の想像で認識するのではなく、視覚的に
　物事を伝えることが出来るというのはアニメ化の強みですね(^O^)

　それにしても、次回は恐らく「化物語」の内容がメインの総集編の
　第2弾になると思いますが、第2弾目の総集編後は原作の発売順通りに
　撫子ちゃんが主役の「囮物語」になるのか、それとも、時系列順に
　物語を進めるとなると忍ちゃんが主役の「鬼物語」を放送するのか
　気になるところですよね。

　う～ん、個人的には時系列順に進んでくれる方が内容を
　把握しやすくていいけど、「鬼物語」もなかなか感動的な
　お話だけに2クール目の中盤以降に取っておくというのも
　選択としてアリなんだよなぁ(>_<)

　全ての“物語”に衝撃がある「＜物語＞シリーズ セカンドシーズン」、
　まだまだこれからも楽しんでいけること間違い無しですよ!!

　次回、「＜物語＞シリーズ 総集編Ⅱ」 です!