境界の彼方 第10話 「白の世界」 感想

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胡蝶の夢―

■境界の彼方 第10話 「白の世界」

　秋人は逝ってなかったわ、円環の理に導かれずに・・・

　というわけで、秋人の妖夢としての部分が凶悪な妖夢「境界の彼方」であると明かされたり、未来ちゃんが泉さんの依頼によって「境界の彼方」を倒すために秋人を殺しにやってきたにもかかわらず、「虚ろな影」の一件を機に知った秋人の人柄の良さや、周りに存在しない半妖夢としての孤独を知る秋人が、血に纏わる呪われた異界士として他の異界士から嫌われる未来ちゃんの孤独な悩みを誰よりも理解してくれたからこそ、少しずつ芽生えてきていた秋人への愛情が、未来ちゃんの秋人の殺害を躊躇させ、未来ちゃんが“自分を犠牲”にして秋人から出てきた「境界の彼方」を自身の体内に取り込むことで秋人を生かそうとするという予想外の展開や、今まで意味深に捉えられてきた様々な細かい描写や設定がようやく一つとなり、今回の内容に至るまでの重要な“伏線”として機能していたことを知ったことで、「境界の彼方」もいよいよクライマックスに入ろうとしていることを率直に伺えたのではないでしょうかね♪

　未来ちゃんが妖夢と化した秋人を殺害するために直視しないように、トレードマークの眼鏡を外してまで秋人へ強烈な一撃を与えた前回の引きの段階では、間違いなく、今回の内容は秋人が未来ちゃんに殺されてしまった後の展開を誰もが予想してしまうところを、肝心の秋人が死なずに“生きている”なんて驚かないわけがありませんし、秋人を刺した時の未来ちゃんの血が秋人の体内に作用し、秋人が夢の中で自身の妖夢として部分の真実を知り、未来ちゃんの好意を受け止める間も無く、未来ちゃんが「境界の彼方」に一人で立ち向かっている事実を夢から覚めて認識したことは、自分のことを二の次にしてまで周りの人達のことを優先的に重んじる優しい秋人にとって、またしても自分が他人を傷つけてしまった後悔と、未来ちゃんの犠牲によって生かされているという罪悪感に自分自身を苛みながらも、自身を生かしてくれた未来ちゃんのことを必ず助けたいと思うだろうし、未来ちゃんも自分のことよりも秋人が生きてくれることを願うほどお互いがお互いのことを大切に想っているだけに、意識を取り戻した秋人の未来ちゃんへの想いや行動次第で、二人が“一緒に生きる”という選択肢を見出し、共に手を取り合えるような素敵なフィナーレへと向かってくれるといいですよね!!

　しかし、多くの異界士達が倒すことが出来なかった「境界の彼方」を未来ちゃん達だけで倒すというのはなかなか難しいものがあると思いますし、未来ちゃんが「境界の彼方」を取り込んだことを知った弥勒が、未来ちゃんごと「境界の彼方」を倒してしまおうと何らかの行動に出るかもしれないと考えると、現状は決して楽観視出来ないことから、次回もハラハラドキドキしながらこの作品を楽しんでいくことでしょう。

　数々の伏線を解消してはスッキリし、今後も続くシリアス展開にどんより、複雑ですなぁ(+_+)

　それにしても、本編のシリアス展開とは打って変わってギャグが活きている二ノ宮先生が被告人の「きょうかいのかなた アイドル裁判! 〜迷いながらも君を裁く民〜」の第二裁判は、本編の重苦しさから開放させてくれる一服の清涼剤にピッタリですよね♪

　裁判官達である未来ちゃん達から終始憐れみをかけられる二ノ宮先生の“若作り”な私生活や彼氏作りに奔走する姿は何とも痛々しいですし、前回と同様にフリーダムな裁判官達の未来ちゃん達にはほっこりさせられてしまいましたよ(^O^)

　ミニスカートでルーズソックスの女子高生の制服を着用させられる刑に処された○十代の二ノ宮先生、可愛いけど痛いです(笑)

　次回、「黒の世界」 です!