ニセコイ 第20話 「ホンバン」 感想

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さぁ、本物の恋を始めよう―

■ニセコイ 第20話 「ホンバン」

　なんだろう、この胸に残るモヤモヤした気持ちは・・・

　というわけで、ジュリエット役の小咲ちゃんの怪我により開演が危ぶまれた楽達の文化祭の出し物の演劇「ロミオとジュリエット」は、ケンカ中だった楽と千棘ちゃんが仲直りしたことにより、小咲ちゃんの代役を務めた千棘ちゃんの活躍で無事に演劇を成功させ、ジュリエットがロミオへ恋心を抱くように、千棘ちゃんも楽への恋心を自分の中で認めるというこれからが楽達の恋物語の本当の始まりであり、面白くなり始めるところだというのに、千棘ちゃんが楽への恋心に気づくという本作における大切のエピソードの一つを最後に本作のアニメ版が終わってしまうというのはちょっぴり残念ですよね!!

　もちろん、メインヒロインが嫌いだったはずの主人公に恋心を抱き、その恋心を認めるというラブコメにおける大切なターニングポイントの一つで終わらせるというのは、肝心の原作が連載中であることを考えると適当な終わらせ方であり、千棘ちゃんが楽のことを想うというラブコメディーの“ラブ”の要素と、楽達が「ロミオとジュリエット」という真面目な演劇を、メインキャラクター達の個性を遺憾なく発揮したドタバタ劇に変え、賑やかな笑いを生み出してくれたラブコメディーの“コメディー”の要素のバランスが絶妙だった本作の最後の内容は、千棘ちゃん達の楽への恋物語の結末が分からずに終わってしまいながらも、ちゃんと楽しむことが出来ましたよ♪

　ホント、アドリブだらけのカオスな「ロミオとジュリエット」のノリは今までにないギャグ展開だったし、楽への恋心を自覚した千棘ちゃんの楽へ向ける満面の笑顔もドキッとさせれられ、そして、楽へ恋心を抱きながらも、かなりの高確率で千棘ちゃん達に楽を取られてしまう不遇な扱いをされていた小咲ちゃんが、大好きな楽と一緒にロミオとジュリエットを本番で演じることが出来ずに悲しい想いをしながらも、小咲ちゃんを想う楽の優しい気遣いにより、演劇の本番よりも思い出になるであろう二人きりで楽とロミオとジュリエットを演じることが出来たという本作の全体を通して不遇ばかりだった小咲ちゃんにしっかりと救済措置があったというのは、千棘ちゃん派の自分であっても本当に良かったと思えましたしね(>_<)

　ただ、千棘ちゃんが楽への恋心に気づくという終盤のエピソードにおいては良かったものの、本作にとって大切な設定の一つである楽達の関係を強く結びつける『10年前の約束』が頓挫しているんですよね・・・

　まぁ、原作が終わっていない中途半端な段階でアニメ版が終わってしまうのだから、楽達の「10年前の約束」の真相が明らかになるわけがないですし、楽達の恋物語が第2ラウンドへと移行し始めた今後の展開からが、「10年前の約束」という設定の真価が問われるということになるのでしょう。

　でも、原作は人気作になればなるほど長期連載となる「週刊ジャンプ」なわけですから、いつまでたっても楽達の恋物語が進むことがなく、当初の設定が霞む、もしくは、設定を膨らませて過ぎて収拾が付かなくなるという懸念はありますけどね(笑)

　さて、色々と楽しんできた本作の総括ですが、“キャラクターが魅力的だった”からこそ、自分は本作を楽しむことが出来たのだと思います。

　ハプニングを繰り返しながら様々な恋物語が彩られていくというラブコメとしての定番の流れにはさほど目新しさは感じられないにしても、甘酸っぱい青春劇の楽しさはちゃんと感じることが出来たのも良かったと思いますが、やはり、“美しく、可愛らしいと思えるキャラクターデザイン”というのは、話題性を呼ぶための一つのポイントであっただろうし、各キャラクターを映えさせるシャフトの独特の演出が、各キャラクターに上手く合っていたというのも大きかったのでしょうね!!

　何度でも言いましょう、『可愛いは正義』なんですよ(^O^)

　それでは、「ニセコイ」の感想はこれにてm(__)m